修正型電気けいれん療法(mECT)
電気治療は1938年以来、精神科の治療で行われている歴史ある治療法で精神科専門療法の一つです。この治療は数秒間頭部を電気で刺激し、様々な精神疾患によって障害を受けた脳の機能を回復させようとする治療法です。
当院で行われる電気けいれん療法(以下、「ECT」といいます)は、世界的により安全と推奨されている修正型電気けいれん療法(m-ECT)を採用しております。多くの症例で特記すべき合併症もなくはっきりとした症状の改善がみられています。
修正型電気けいれん療法について
修正型電気けいれん療法(Modified-Electroconvulsive Therapy)は、全身の筋肉をゆるめる薬(筋弛緩剤)をあらかじめ投与しますので、身体のけいれんは最小限度に抑えられます。そのため、従来の電気けいれん療法に比べると、身体への負担が軽くなっています。
当院では専用の治療機器(サイマトロン)を整備し、麻酔科専門医の全身管理下で治療を行うことで、高い安全性を確保しています。
安全性・副作用について
m-ECTの施行により致命的となるのは10万回に4回程度と考えられ、頻度は極めて低いとされています。当院では事前の検査による評価や麻酔科専門医が立ち会うなど安全に最大限の配慮を行っています。
麻酔から覚めて現れる副作用
麻酔から覚めた直後は、ぼんやりとすることがあるかもしれませんが、多くの場合、1時間以内に消失します。一時的に頭痛、吐き気を生じることがありますが、多くは自然に改善します。
一時的に治療前後のことを思い出しにくくなることがありますが、数日かけて回復します。長期間続くことはまれです。
修正型電気けいれん療法を受けるには?
この治療は、入院期間中に行います。
治療を行う前に医師が必要な診察を行い、身体的に問題がないことを確認します。また十分な検査を行い患者さんにとって治療が安全であることを確認した上で開始します。
通常は、1クール10回で週に3回のペースで行いますので、検査や薬物調整、観察期間を含めて1ヶ月程度の期間を要します。
受診希望の方へ
ECTの詳しい説明を受けたい、とお考えの方は、まずは現在かかっている主治医の先生にご相談下さい。
医療機関の方へ
紹介をお考えになる患者さんがいらっしゃいましたら、地域医療連携室までお問い合わせ下さい。