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院長 小嶋 享二

写真:院長 小嶋 享二

太宰府病院の院長、小嶋享二先生に病院の特性や治療方針についてお話を伺いました。幅広い医療ニーズに応える小嶋先生の見解をお届けします。


――それでは、小嶋先生にいくつかインタビューさせていただきます。

はい、よろしくお願いします。

――太宰府病院はどのような病院でしょうか?

そうですね、特定の疾患に特化しているというよりは、患者さんの「困りごと」に対して幅広く向き合える病院と言えるのではないでしょうか。
とても懐が深いというか、前の院長からも「ここは最後の砦だから」とよく言われていました。逃げることなく、きちんと患者さん、ご家族に向き合って対応する、そういう強い信念を持った職員がたくさんいる病院だと思います。

――すべての先生が丁寧に外来診察を重ねたり、入院でも多職種で様々なカンファレンスを行い、入院治療を進めてある印象があります。特に小嶋先生が患者さんの治療の過程で心がけてあることはどのようなことでしょうか。

患者さんが感じている困り事というのは本当に千差万別で、お一人お一人が全く違う状況、立場に置かれた方です。どういうことに困って、どのような相談をしてこられているのか、そして、その時にどのような症状が現れているのか、どのような行動をとっているのか。そういったことを患者さんと一緒によく考えながら対応していくことが良いことなので、丁寧にお話しするように心がけています。

――最近は軽症の患者さんの受診も非常に増えており、精神科の敷居が低くなっていると感じています。

不眠の改善なども精神科に期待される疾患の一つですが、先生は外来で不眠治療をどのように行っておられますか?

いきなりお薬というわけではなく、やはり大切なのは生活習慣です。
気分の変動のある、特に若い患者さんは夜更かしをする方が多いですが、生活指導するだけで気分が安定したり、睡眠リズム、生活そのものが安定することがあるので、まずは、どのような生活習慣をしているのか聞くことを大切にしています。

――他にも、発達障害の受診相談が非常に増えていますが、太宰府病院ではどのように治療をされていますか?

まずは診断、評価ですね。いろいろな年齢層の方が受診されますので、小さい頃からの生育歴、発達歴、幼稚園、保育園や学校での様子などをご家族からも伺い診断をきちんと行います。これも、いきなりお薬というわけではなくて、学校を含めた生活の自己管理、生活習慣をきちんと規則正しくやっていただくように指導します。
当院は臨床心理士、公認心理士が多数在籍していますので、心理テストなども並行して、正しい評価につなげることができます。
必要であれば、薬物療法も行います。

――最近は、診療所、クリニックからの心理検査等の発達検査の依頼も非常に増えています。
そのような受診も今後たくさん受け入れられますか?

当院も、こういう患者さんだけしか見られないということではなく、最初に申したように、幅広い年齢層や疾患の患者さんの困りごとに対して、真摯に向き合うことをモットーにしておりますので、お気軽にご相談いただきたいと思います。

――それから、最近は職場の不適合で、抑うつやうつ状態になる方もたくさん受診に来られます。社会人の治療で気をつけていることはありますか?

職場でどのような状況にその方が置かれているのか、どういうストレスを感じているのか。最近よくあるのが、発達障害の傾向を少しベースに抱えていて、職場での適応に困難を感じている方の相談があります。患者さん一人一人に個別で、よく状況を確認し、心理検査なども並行して行いながら一番良い対応、治療法を考えていきたいと思っています。

――太宰府病院はアルコール依存症治療も専門で行っていますが、太宰府病院ではアルコール依存症の治療はどのように行われるのですか?

アルコール依存症の方は、お酒をたくさん飲み出してかなり年数が経ってから精神科に来られる方が多いですね。
クリニックなどの方が敷居は低いので、そういうところから早めに治療を導入していただき、当院では入院でアルコール依存症プログラムというのをやっていますので、入院が必要であれば早めにご紹介いただいていいと思います。
いきなり断酒ということに抵抗がある患者さんも多いので、節酒プログラムでの薬物療法もあります。
とにかくドロップアウトせずに、顔を出して相談を続けていただく、お話に来るだけでも構いませんので、つながっていただいているということが大切なことと思います。

――それでは最後に、太宰府病院は4年前にギャンブル依存の治療保険病院として認可されました。今のギャンブル依存症の治療についてお聞かせください。

これもアルコールと同様に、トレック(TREK)というギャンブル依存症治療プログラムを実施しています。
これは外来で行うプログラムです。
アルコールよりも難しい面もたくさんありまして、秘密にされやすいため、周囲に知られづらく、気付くと大変な借金の額に膨れ上がってたということが多いです。 最近は若い世代にも増えており、オンラインのギャンブルも問題になっています。
そのような苦労や悩みを本人だけが抱え込むのではなく、早めに家族や公的な機関、相談機関へ、ネットを通じてでもいいので、早めに相談をして当院のプログラムにつなげることが大事です。

院長 小嶋 享二

  • 医学博士(九州大学)
  • 精神保健指定医
  • 精神保健判定医
  • (公社)日本精神神経学会 精神科専門医・指導医
  • 臨床研修指導医
  • 難病指定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 認知症サポート医

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